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極楽地獄
遊戯王GX(ほぼ万丈目)中心にアニメ・ゲーム等について、私が感じたことをなんとなく語っています。 女性向け(同性愛)発言が多々ありますので、そういったものが苦手・また興味の無い方はご遠慮ください。
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アンサー?
 
 
―― 万丈目SIDE ――
 
 
 
 
 
 
 
「ん~。風が気持ちいーなー」
 
 
――今日くらい出かけようぜ。俺、いい場所知ってるからさ!――
とか何とか言われ十代に連れ出された先は、人気の少ない丘の上だった。
 
大体。何が、”今日くらい”だ。
人の誕生日に、こんなあからさまな誘い方なんかしやがって。
 
 
「そうだな・・・良い天気だ」
 
 
丘の上には1本、幹の太い立派な木が生えている。
その根元に2人で腰を下ろした。瑞々しい色をした芝生の感触が、柔らかで気持ち良かった。
 
「・・・・・・」
 
フと、いつもは五月蠅いくらいに元気な声が隣から聞こえてこない事に気が付いた。
様子を窺おうと視線をずらそうとした時、丁度十代が上目遣いで顔を覗きこんできて少し驚いた。が、平静を装って尋ねてみた。
 
「どうした、珍しく静かだな」
 
十代は僅かに口を尖らせて、軽く――別に――と答え、それきりまた静かになった。
何かあったのかと思ってオレは聞いたのだが・・・質問を投げ掛けた時の、あの意外そうに一瞬目を見開いた様子からすると、特に何もなかったのだろう。・・・多分。
騒がしいこの男でも、偶には静かに過ごしたい時があるのかもしれない。
その稀な時間を共に過ごす相手として・・・オレを選んだ?
 
 
ドクン、と、心臓が跳ねる。
 
 
あぁ・・・・・・あぁ悔しい。
オレが、こんな事で喜びを感じている、だなんて・・・こんなの十代に知られたら・・・。
腹立たしくて、堪らない。
いつからオレはこんな風になった・・・?
こんな、十代の事を考えると、感情が抑えられなくなって・・・自分勝手なヤツの言動で、いつもいつも一喜一憂させられて。
好きな時に行きたい所へ行ってやりたい事をして・・・それが間違っているとは言わない。
突然一人で駆け出して突き放してきたかと思えば、次にはピッタリと身を寄せて甘えてきたりもする。
いなくなるのもここに居るのも、コイツの勝手だ。それはわかっている・・・そうだ、わかっている。
・・・だけど、本当に、あまりにも、勝手だ。
 
 
「万丈目、これからも・・・」
 
考え事に夢中になっていた所為か、十代が何か喋ったようだったけれどよく聞きとる事が出来なかった。
 
「ん・・・?」
 
もう一度、と促すように、十代に向けて小首を傾げてみた。
 
「・・・いや、なんでも、ないや」
 
十代は誤魔化すように首を振ると、オレを見つめて儚げに微笑んだ。
 
「・・・どうした、十代?」
 
どこかいつもと違うような気がして、更に追求しようとしたけれど
 
「万丈目・・・」
 
「ん・・・」
 
オレの手に十代の手が重ねられ、お互いの距離がどんどんと近くなっていく。
 
「万丈目。誕生日、おめでとう」
 
左頬に温かい感触。
 
「・・・・・・あぁ。お前も、な。もうすぐだろう」
 
声が、震えていなかった事を祈るしかない。
 
「うん・・・ありがとう」
 
そう言って、十代は顔を背けた。
 
 
 
 
・・・やっぱり、ダメだな。
オレはもう、他の誰と居たとしても・・・・・・こんな気持ちにはなれないんだろう。
 
 
 
 
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